EAN: 9784874248072
ISBN: 978-4-8742-4807-2 // ISBN: 9784874248072
Erscheinungsjahr: 2019
Verlag: Kurosio
Seitenzahl: 327
Sprachen: Japanisch
Herkunftsland: Japan
Buchbeschreibung des Verlags:
複言語環境下で生きる子どもや若者のために、家庭、教育機関、コミュニティで何ができるか。子どもの言語発達・教育に関する悩み・疑問について、気鋭の執筆陣と共に考える。海外で子育てをする親や継承日本語教育に携わる教育者に。
■「はじめに」より
「バイリンガルに育てたいが、子どもは日本語と英語の混ざった言葉を話す。このままではどちらの言語も年齢相応のレベルに達することができなくなるのではないか」
「子どもを日本語教室に通わせているが、現地校での勉学や部活動が忙しくなり、最近行くのをとても嫌がる。子どもには現地校で落ちこぼれてほしくないし、日本語の勉強を続けさせるべきだろうか」
「継承日本語学習者の中には、日常会話には全く問題がないのに、読み書きのあまりできない学習者もいる。このような学習者に、読み書きをどう教えたらいいのか」
本書は、親や教師からのこのような悩みや疑問を受け止め、今日の日本国内外における継承語教育を「親と子をつなぐ継承語教育」と位置づけることで、その意義と価値、そしてその問題や課題について考察します。本書では、日本にルーツを持つ海外の子どもの継承日本語教育だけでなく、日本国内に住む外国にルーツを持つ子どもの継承語教育にも注目し、複言語環境下で生きる子どもや若者のために、家庭、教育機関、そしてコミュニティで何ができるかについて考えます。
Inhalt
はじめに
序章 親と子をつなぐ継承語教育(近藤ブラウン妃美)
第1部 バイリンガル・マルチリンガル発達理論からみた継承語習得
1章 バイリンガル・マルチリンガルの継承語習得(坂本光代)
2章 継承語習得と認知能力発達(田浦秀幸)
3章 家庭・学校・コミュニティにおける継承語話者の言語選択(坂本光代)
4章 日本語を優勢言語としない子どものバイリテラシー習得・発達(折山香弥)
COLUMN 1 第一言語、母語、ネイティブランゲージの違い(近藤ブラウン妃美)
第2部 海外における継承日本語学習者:言語学習・モチベーション・アイデンティティ
5章 米国現地校における英語学習者(バトラー後藤裕子)
6章 継承語学習のモチベーション/動機づけ(森美子)
7章 継承日本語とアイデンティティ形成(知念聖美)
8章 米国における学齢期の子どものための継承日本語学習の機会(片岡裕子)
COLUMN 2 継承語の言語的特徴(西川朋美)
第3部 海外における継承日本語教育:指導・教材・評価
9章 幼児や低学年児童対象の継承日本語教室で使う教材(山本絵美)
10章 北米の日本語学校における学習者のニーズの多様化(リー季里・ドーア根理子)
11章 外国語学習者と継承語学習者の混合日本語クラスでの指導(ダグラス昌子)
12章 欧州における継承日本語教育と欧州言語共通参照枠(CEFR)(奥村三菜子)
13章 海外における継承日本語学習者のための評価(近藤ブラウン妃美)
COLUMN 3 海外で育つ子どもの実態(坂本光代)
第4部 日本における外国にルーツを持つ子どもの継承語教育
14章 日本の公立学校における日本語を母語としない子どもへの言語教育(西川朋美)
15章 国境を越えた子どもの異言語・異文化の壁(川上郁雄)
16章 対話型言語能力アセスメント「DLA」の有用性(櫻井千穂)
17章 中国にルーツを持つ子どもの母語・継承語教育(高橋朋子)
18章 日本における外国にルーツをもつ子どものための継承語教育と言語政策(久保田竜子)
COLUMN 4 継承語教室は誰のため?(西川朋美)
引用文献
キーワード索引
執筆者紹介